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乳児ボツリヌス症はハチミツだけが原因ではない?

よく1歳未満の乳幼児にはちみつを与えないでくださいと書かれていますが、これは乳児ボツリヌス症を防ぐために厚生労働省が1987年に都道府県に通知したことから始まります。
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発端は1976年、アメリカで乳児ボツリヌス症の症例が報告され、1986年に日本でも千葉県で乳児ボツリヌス症が発例した際、乳児の便から検出された菌と同型の菌が輸入はちみつから検出され、乳児ボツリヌス証の原因食品と断定されたことに寄ります。
(国内では20例に満たない患者数)

はちみつの中にはボツリヌス菌という芽胞が含まれていることがあり、普通大人は腸内の常在細菌によって芽胞が増殖できません。

しかし乳児の場合はまだ消化器官が未熟なため、腸管内で菌が発芽・増殖し毒素が産生され乳児ボツリヌス症を発症します。

ほとんどの症例は生後6ヶ月未満の乳児で発症しています。
なお生後2週目以前の乳児における感染報告例は少なく、母乳(初乳)に含まれる成分が菌の定着・増殖を抑制している可能性があるようで、授乳中のお母さんがはちみつを食べたことによる乳児ボツリヌス症の発症はないようです。(実例が出ていません)


通常このボツリヌス菌は土壌、湖泥の泥の中で育ち、菌が存在する土壌に生える植物はボツリヌス芽胞で汚染されます。

画像はボツリヌス菌
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ミツバチはこの汚染された芽胞の付着した花粉を運ぶので、ミツバチ自身が汚染された結果としてはちみつがボツリヌス菌に汚染されます。

ボツリヌス菌はもともと土壌細菌で国内でも比較的簡単に見つけることができるそうで、
生物学的又は化学的性状の違いによって、Ⅰ~Ⅳ群に分類されています。Ⅰ~Ⅲ群のボツリヌス菌は我が国の土壌等から検出されていますが、Ⅳ群については海外の土壌からの検出が認められています


乳児ボツリヌス症の原因
国内の土壌中には見られない菌であったため海外で汚染された輸入食品が原因になった可能性が大きいようです。

はちみつ以外で乳児ボツリヌス症を発症した例として
自家製野菜スープが原因と推定された事例や、井戸水が感染源と推定された事例も報告されています。その他ベビーフード、コーンシロップ、缶詰、ハウスダストなども可能性あり。



内閣府の食品安全委員会の報告(2014年10月17日)

乳児ボツリヌス症の発症例

★国内
2006年 2人  
2007年 2人
2008年 1人
2009年 0人
2010年 1人

★米国
2008年 111人
2009年 84人
2010年 85人
2011年 102人
2012年 122人

この数字を見ていただけば国内における乳児ボツリヌス症の発症がいかに少ないかがお分かり頂けると思います。この数字をどう見ればいいのか判断しにくいのですが(化学肥料・農薬で土壌が肥沃ではなくなっていて萌芽自体が少ない?)、とにかく離乳食が初まってから食べさせてあげてくださいね。


 
症状
中枢神経系が冒され、ほとんどの患者は便秘状態が数日続いた後、弛緩性の麻痺、乳力が低下、頸部の筋肉が弛緩するため頭部を支えることができなくなる。瞳孔散大し、緩慢になってしまいます。呼吸麻痺が主な症状となるが致命率は食べ物が原因となるボツリヌス食中毒とは異なり1~3%と低いそうです。



予防策
まず異常発酵しているもの(瓶のふたが膨れているものや泡立ちが激しい物)
異臭がするものは食べない。

ちょっと気になる時は石けんにしたり、入浴剤としてお風呂に入れてお使いください。



*参考 
1.THE MERCKMANUALS ONLINE MEDICAL LIBRARY
2.Infectious Diseasos Weekly report JAPAN
3.内閣府食品安全委員会ボツリヌス菌ファクトシート(平成26年10月17日更新)

                                               文責 代表理事平野のり子

2015年4月 1日

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