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フランスの名産品を支えるAOC はちみつでは2製品が認証

チーズやワインには、AOC(アペラシオン・ドリジーヌ・コントローレ=原産地統制呼称)(アーオーセーとフランス語のアルファベットで読みます)といって、すぐれた農産物に与えられる認証制度があります。実は、はちみつにもこのAOC認証をうけた製品が2つあります。

 

チーズやワインに比べて数が少ないのは、はちみつをつくるミツバチが飛び回る土地の範囲を限定できないため。はちみつ採取では、みつばちと養蜂家は、季節ごとに異なる蜜源を求めて移動するのが普通です。このため、原産地を特定することが難しく、認証を受けにくいようです。

 

1.コルシカ島の風景をビン詰めにしたようなはちみつ

はちみつで最初にAOC認証を受けたのがコルシカ島のはちみつです。

島の中央に万年雪を抱く標高2,500m超級の山々が聳えるコルシカ島は、そのおかげで水資源が豊富。南隣のサルディニア島に比べると緑が深いことが知られています。山の中腹部には石灰岩質の土壌を低灌木が覆ったコルシカ島特有の雑木林(Maquis:マキと呼ばれる)や栗の原生林が豊かに繁茂し、東海岸のわずかばかりの平野部にはクレマンティーヌ(小粒みかん)をはじめ、柑橘類の果樹園が広がっています。

 

まるで小さな島(広島県ほどの広さ)に南欧全体をコンパクトに詰め込んだような、多様な自然と地中海の光をそのままビンに詰めたのがコルシカ島のはちみつ。その高品質を守るためのA.O.C.の認証には、たとえば下記にあげるような条件が課せられています。(2008/3/20

  • ミツバチは、Apis Mellifera Mellifera L.ecotype corseというコルシカ島独特のハチであること
  • 分析の段階でコルシカ島由来の花粉が示すスペクトルを有すること
  • 加熱により生成するHMF(ヒドロキシメチルフルフラール)が10mg以下であること

以上を含む7つのポイントが、視覚、感覚、科学分析によりテストされ、現在コルシカ島のはちみつとして6種類が認証されています。

 

2.ヴォージュ産・モミの木のはちみつ

フランス北東部のロレーヌ地方、ヴォージュ山脈の西側に位置するヴォージュ県でつくられるモミの木のはちみつもA.O.C.の認証を受けています。

ところで、はちみつ専門店の店先でヨーロッパ産はちみつを物色していると、モミの木や松の木のはちみつをしばしば見かけます。最初は「えッ、どういうこと?」状態。針葉樹はもともと花のない裸子植物の仲間。なのにみつばちはどうやって蜜を集めるのかが不思議です。

 

実はこのはちみつは甘露蜜(honeydew honey)と呼ばれるもの。花の蜜ではなく糖度の高い樹液を吸ったカメムシなど半翅目(ミツバチは膜翅目)の昆虫が出す分泌液を、ミツバチが再度採蜜してつくられたはちみつです。

ヴォージュで生産されるモミの木のはちみつもこの甘露蜜。少し緑色を帯びた暗褐色の色合いで、ややゆるめの液状のはちみつです。鼻を近づけるとモミの若芽がもつ特有のバルサム臭(松ヤニに似た香り)が感じられ、口に含むと今度は特徴的なモルトの風味が鼻腔をくすぐります。苦味のないマイルドさが人気のはちみつです。

 

ヴォージュ産・モミの木のはちみつに対する審査項目は、コルシカ島のはちみつの審査項目が独自性のための基準であるのと同様に、モミの木はちみつ独特の基準を使用しています。(2008/3/20

  • 保存はガラス製のものを使うこと
  • ろ過は指定地域内で行うこと
  • 水分含有量は18%以下であること
  • 感覚試験ではバルサムの香りとモルトの味の特徴を有すること
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など、はちみつの個性がより保護されるような規定となっています。

 

A.O.C.は、近代的製造方法による安価な製品の台頭に対する農業国フランス各地の伝統的名産品の存続とその高い品質の保護を目的としています。この目的のために生産地は厳しく限定され、生産方法については詳細に至るまで条件が課せられ、さらには高い世評を得ることができた製品にのみ認証が付与されます。

また、EUにおいても1992年の規定により域内共通規準としていくつかの認証制度を制定しています。

              ・原産地呼称保護(P.D.O.=Protected Designation of Origine

              ・伝統的特産品保証制度(T.S.G.=Traditional Speciality Guranteed

 

一方、消費者側も意識が高く「食品を購入する際にもっとも重視するのは?」との質問に「品質認証ラベルの有無」34.0%、「製造方法」18%、「原産地表示」14%と回答しています(消費者連盟・U.F.C,Que choisir調)。

こうした長年の取り組みにより、歴史と伝統に息づくフランス各地の地場産品に対する消費者の信頼感が生まれ、その信頼感が再び生産者の利益と誇りを生み出すという良循環をつくりだしています。これが確たるはちみつ食文化の土台となっているのでしょう。

 

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A.O.C.*という認証制度。>

これは国立の原産地呼称協会(INAO**)の提案に基づき、その製品の原産地の呼称を国が承認する制度

*A.O.C. = Appellation d'Origine Contr?l?e 原産地統制呼称

**INAO = Institut National des Appellations d'Origine 原産地呼称協会

原産地の表示が単に地図上の製造場所をあらわすのではなく、その地がもっている土の性状、古くから守られてきた伝統的な製造方法、さらに多くの人々から長く愛されてきた実績まで含まれるとする方。そして、それに適う品物かどうかを厳しく審査したうえで承認を与える。

 

2009年2月17日

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